労働・環境・社会医学+(プラス)

臨床医学で欠如しがちな労働・環境・社会的要因を考察します。また、私的な日記のようなものも書きます。

ダブルチェックの定義・やり方はいろいろ:ChatGPTにきいてみた

ミチバ

・私は今勤める病院の医療安全委員会の委員長をしております。事務局がしっかりしているので御神輿みたいなものですが。ただ、やっぱりそれなりの仕事はしないといけないので、過去何年かは職員向けの医療安全の講義をしております。

・それはさておき、最近とうか以前からですが、ダブルチェックは本当にチェックになっているのかという疑問がありました。つい先日も点滴に関するインシデントがあり、ダブルチェックはちゃんと声出してやってるのと看護師さんに訊いてみたら、必ずしもやっていないとのこと。ひょっとして、ダブルチェックと一言でいっても、人それぞれ、部署それぞれ、病因それぞれで違うのか?という疑問が起こり、ChatGPT先生に訊いてみました。以下最初に訊いたことを貼り付けておきます。(このブログのソフトの関係で一定の字数以上は欠けないので分割して載せます)


Prompt

医療安全・患者安全で、よくダブルチェックと言いますが、どのようなものでしょうか?

回答

いい質問です。医療安全の文脈でいうダブルチェック(double check)は、とてもよく使われる言葉ですが、実は意味があいまいなまま使われがちなんですよね。

ダブルチェックとは何か(基本)

医療安全・患者安全におけるダブルチェックとは、
同じ行為・判断・情報を、複数人(または複数の方法)で確認することで、エラーを防ぐ仕組み
を指します。

目的はシンプルで、

人は必ず間違える
1人の確認だけに頼らない

という考え方です。

よくあるダブルチェックの例

投薬関連(いちばん多い)

  • 医師の処方内容
  • 薬剤の種類・量・用法
  • 患者本人の確認

Ø   看護師2人で確認、あるいは

Ø   看護師+薬剤師で確認

輸血・注射・点滴

  • 患者氏名・ID
  • 血液製剤の種類・血液型
  • 投与量・投与ルート

ここは「ダブルチェック必須」と明確に決められている場面が多いですね。

手術・処置前

  • 患者本人
  • 手術部位・術式
  • 同意書の内容

いわゆる タイムアウト も、「集団でのダブルチェック(むしろマルチチェック)」の一種です。

実は重要なポイント:ダブルチェックには「質の違い」がある

医療安全の世界では、次の区別がとても大事です。

形だけのダブルチェック

  • 「合ってますよね?」
  • 「はい、大丈夫です」

同調バイアス権威勾配が働きやすく、

⇒ エラーを見逃しがち

独立したダブルチェック(independent double check

  • それぞれが別々に確認
  • 先入観を与えない
  • 結果を突き合わせる

こちらが本来のダブルチェックです。

ダブルチェックの限界

ここ、すごく大事です。

  • ダブルチェックをしても
    エラーはゼロにならない
  • 慣れ・忙しさ・思い込みで
    2人とも同じ間違いをすることがある
  • 「ダブルチェックしているから安心」という
    安全の錯覚が生まれやすい

そのため最近の医療安全では、

  • ダブルチェック「だけ」に頼らない
  • システム(バーコード認証、電子カルテ警告など)と組み合わせる

という考え方が主流です。

まとめ(ひとことで)

  • ダブルチェックとは
     人のミスを前提にした安全対策
  • 重要なのは
    独立性のある確認
  • 万能ではなく
    仕組みとセットで使うもの

本日はとりあえず、ここまで。ChatGPT先生が書かれていることは、妥当なことだと思いますが、皆様はどうおもわれますか?次回、次々回ともうちょっといろいろなことを教えてくれますので、乞うご期待。

本日は字数の関係で、皆様お楽しみの「以下日記」はございません。

偉い人も完璧ではない/『風を打つ』で涕泗流る

ミチバ

・熱心な読者ならご存知でしょうが、私毎日Modern epidemiologyという本を3ページ以上は読むという課題を自分に課しております。本文が1000ページ位あるのですが、今日で116ページまで進みました。このペースだと年内に読み終わるはずですが、多分どこかでとどこおるでしょうね。

・それはさておき今日読んだ部分にあの有名な、疫学の父というジョン・スノウのことが書かれていました。で、その引用文献に↓のようなものがありました。


Commentary: Nobody loves a critic: Edmund A Parkes and John Snow’s cholera

Tom Koch
International Journal of Epidemiology, Volume 42, Issue 6, December 2013, Pages 1553–1559, https://doi.org/10.1093/ije/dyt194

https://academic.oup.com/ije/article/42/6/1553/740477


・人も論文と同じで(本来論文も人と同じというべきか)、強みと弱み/limitationがありますね。で、総合的に評価してどうなんだということでしょう。Rothmanの疫学の著者はスノウの研究の弱点はあるけど、評価しておりました。(多分)


以下日記

・1/15(木)は普通に仕事。夜は"Causal Inference: What Ifの勉強会。

・1/16(金)も午前中は普通に仕事。午後から有給休暇で、たまっている「仕事」や事務作業をしました。

・1/17(土)は午前中福山の城北診療所で外来。ちょっとどうして挙げたら良いのかなと困った患者さんが来られましたが、申し送って終了。お昼LUCASというフランス料理屋さんで昼食。夜は「風を打つ」↓という演劇をみました。水俣病患者さんの家族のお話しでしたが、涕泗流れました。ただ、水俣病をなにも知らない人が観たらどう思うかな?これを機会に水俣病を勉強してくらたらよいねにね。

・1/18(日)1日勉強、事務作用、草刈り、土運びでした。

・1/19(月)、1/20(火)も普通に仕事。

・1/21(水)は、普通に仕事で、夜月1回行っている勉強会に参加してくださっている開業医さん達とお食事会。

・1/22(木)は、午前中仕事、午後から倉敷市役所で公害健康被害認定審査会。

・1/23(金)は、午前外来、午後2つ会議。

・昨日1/24(土)は、勉強と研究会の発表準備。夕方資源ゴミ(リサイクル)を市役所のストックヤードにもっていって、その後庭の草刈りと土運び。夜は、研究会準備で初めて「花子」を使ってみました。「一太郎」の関連商品です。そもそも、皆様「一太郎」をしってるかな?

・本日1/25(日)は、上記RothanのModern epidemiolotyを呼んで、10時半頃家を出て広島へ。大雪での新幹線の遅れを心配しましたが、「さくら」は5分遅れでした。13時から15時まで『新経絡治療セミナー』というものに参加。そして、帰宅し風呂入って夕食摂ってお酒飲んでこのブログを書いております。22時には寝たいと思います。

厚生労働省の「金属アーク溶接等作業について 健康障害防止措置が義務付けられます」というパンフレットが変。元をたどれば特化則が変。

ミチバ

・熱心な読者の皆様は、私が毎月第2木曜日の早朝から「労働衛生ジャーナルクラブ」というZOOMの勉強会に参加しているのはご承知のことと思います。2月が私の発表の番なので、溶接とパーキンソン症候群というお題で発表しようと思っております。それで、いろいろ調べていたのですが、厚生労働省の労働者/使用者むけのパンフレットの健診のところが変なのです。まずは↓をご覧あれ。


https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000746531.pdf


これの6ページの下の方の「■溶接ヒュームの健診項目」というところに、下記のような記載があります。


「③溶接ヒュームによるせき等パーキンソン症候群様症状の既往歴の有無の検査

④せき等のパーキンソン症候群様症状の有無の検査」


えーっ!「せき」がパーキンソン症候群を疑わせる症状なのか。普通お医者さんがみたら変だと思います。今回は、法令に関することなので「知らんけど」とは言わず教科書を確認してみました。

まずは「新臨床内科学 第10版」:パーキンソン症候群をというくくりが無かったのでパーキンソン病をみましたが、咳、痰という症状の記載はなし。

つぎに朝倉書店の「内科学 第12版」。パーキンソン症候という項目があり、咳、痰の記載なし。 パーキンソン病のところにも咳、痰の記載なし。余談ですが「原因・病因」の所に「金属の曝露でもパーキンソニズムが発症することが知られている。溶接業者などがマンガン中毒性パーキンソニズムを発症することがある。精神症状に引き続きパーキンソニズムが出現し、ジストニーを伴うことが特徴である」・・・ちゃんとこう書かれており、良きかな。

そしてハリソン内科学書第22版(英語です)。これは症状が一覧表になっていますがcough, sputumという記載はありません。ただ、あとで述べますがDysphagiaといのがあります。

最後はUpToDate::Clinical manifestations of Parkinson diseaseと言う項とDiagnosis and differential diagnosis of Parkinson diseaseをみてみましたが、咳、痰は書かれていませんでした。


ネットで見てみると、パーキンソン病は嚥下機能が障害され、咳反射が弱いので誤嚥のリスクが高いと書かれています。


ということで、上記パンフレットに書かれているのは、変、というか間違いと行っても良いと思います。(あくまでパーキンソン症候群の症状としたら)


・なぜ、こんな間違った、婉曲的に言うなら誤解を生むような記載が起こったのか。もとをたどったら特化則(特定化学物質障害予防規)の第39条(健康診断)の別表第3の(五十九)にありました。引用すると↓


「マンガン又はその化合物(これらの物をその重量の一パーセントを超えて含有する製剤その他の物を含む。)を製造し、又は取り扱う業務」というところの健診項目が↓のようにかかれています。


一 業務の経歴の調査

二 作業条件の簡易な調査

三 マンガン又はその化合物によるせき、たん、仮面様顔貌、膏こう顔、流涎えん、発汗異常、手指の振戦、書字拙劣、歩行障害、不随意性運動障害、発語異常等のパーキンソン症候群様症状の既往歴の有無の検査

四 せき、たん、仮面様顔貌、膏こう顔、流涎えん、発汗異常、手指の振戦、書字拙劣、歩行障害、不随意性運動障害、発語異常等のパーキンソン症候群様症状の有無の検査


この三、四をよむと咳、痰がパーキンソン症候群と読めますよね。本来なら、↓のように書くべきでしょう。

咳、痰、及び下記に述べるパーキンソン症候群様症状:仮面様顔貌、膏こう顔、流涎えん、発汗異常、手指の振戦、書字拙劣、歩行障害、不随意性運動障害、発語異常等


・厚生労働省にe-mail送ろうかなとおもいましたが、上記パンフレットには厚生労働省自体の連絡先が書かれていませんでした。さて、どうしましょう。


本日はこのことで力を使い果たしたので以下日記はありません。